
月極駐車場を借りる際には、毎月の賃料がかかります。そして、賃貸住宅を借りるときと同様に、契約時には「初期費用」が発生します。
この記事では、月極駐車場の契約時にかかる初期費用の内訳や一般的な相場、支払いのタイミング、そして少しでも費用を抑えるためのポイントなどを分かりやすく解説します。
月極駐車場の初期費用は、一般的には賃料の3~4ヶ月分が目安です。
例えば、月額賃料が2万円の駐車場であれば、初期費用として6~8万円程度が必要になる計算です。これらは当月分や翌月分の賃料の前払いに加え、敷金や礼金、仲介手数料といった複数の費用項目が含まれます。
なお、初期費用は賃料を基準に計算される項目が多いため、賃料が高い駐車場ほど初期費用も高額になります。逆に言えば、月額賃料が安い駐車場を見つけることができれば、初期費用も相対的に抑えられる可能性があります。
月極駐車場の初期費用には、主に以下のような項目が含まれます。それぞれの内容と一般的な相場を理解しておきましょう。
契約開始月の賃料を事前に支払うものです。
月初めから契約開始であれば、契約時に当月分の賃料1ヶ月分をあらかじめ支払うのが一般的です。月途中からの契約であれば、当月分賃料(日割り計算)+翌月分賃料がかかる場合が多いです。また、口座振替など手続きに時間がかかる支払方法の場合に、前払い賃料を2ヶ月分とするようなケースもあります。
相場としては、契約開始タイミングによりますが1〜2ヶ月であることが一般的です。
契約時にオーナーや管理会社に預けておくお金のことです。相場は賃料の1~2ヶ月分です。賃料の滞納があった場合や、駐車場の設備を契約者の過失で破損させてしまった場合の修繕費用などに充当されます。
基本的には何も問題がなければ解約時に全額返還されます。ただし、契約内容によっては「短期解約の場合は敷金一部または全部を償却(返還しない)」といった特約が付いている場合もあるため、契約書をしっかり確認することが重要です。なお、敷金の返還時期は、解約手続き完了後の翌月末など、契約条件により異なります。
契約時にオーナーや管理会社に対して支払う謝礼金のようなものです。 敷金とは異なり、解約しても返還されることはありません。 地域や物件によっては礼金がない場合もあります。なお、相場は賃料の1ヶ月分+消費税です。
不動産管理会社などの仲介会社を通して月極駐車場を契約した場合に、その仲介業者へ支払う手数料です。一般的な相場は賃料の1ヶ月分+消費税です。
なお、オーナーとの直接契約の場合や管理会社が保有している駐車場の場合、仲介手数料はかかりません。
連帯保証人を立てる代わりに、家賃保証会社を利用する場合にかかる費用です。 万が一、契約者が賃料を滞納した際は、保証会社がオーナーに対して立て替え払いを行います。近年、賃貸住宅だけでなく月極駐車場でも保証会社の利用を必須とするケースが増えています。
初回契約時に賃料の0.5〜1ヶ月分程度、または年間1〜2万円程度の保証料が必要となるのが一般的です。また、1、2年ごとに更新料がかかる場合もあります。
駐車場の維持管理(清掃、巡回、場内照明の電気代など)のために必要な費用です。 月極駐車場の場合は賃料に含まれていることが多く、別途請求されるケースは比較的少ないですが、物件によっては発生することがあります。相場は月額数千円程度です。
上記の初期費用に加えて、駐車場の種類や契約内容によっては以下の費用がかかることもあります。
機械式駐車場やシャッター付きガレージ、鍵付きのチェーンゲートなどが設置されている駐車場の場合、操作に必要な鍵やリモコンキー、カードキーなどの費用がかかることがあります。
前の利用者がいた場合など、セキュリティのために鍵を新しいものに交換する場合には、鍵交換費用がかかる可能性があります。
また、リモコンキーやカードキーなどを貸与される際に備品保証金がかかる場合があります。紛失や破損がなければ解約時に返還されますが、紛失・破損した場合は実費を請求されたり、保証金から差し引かれることが一般的です。
自動車を新規購入したり引っ越しで保管場所が変わったりする際には、警察署へ「車庫証明(自動車保管場所証明書)」を申請する必要があります。 月極駐車場を保管場所として登録する場合、その駐車場を借りていることを証明する書類として、オーナーや管理会社から「保管場所使用承諾証明書」を発行してもらう必要があります。この発行の際に手数料がかかる場合があります。
なお、保管場所使用承諾証明書の発行にあたって、「賃料の3ヶ月分を前納すること」や「最低でも6ヶ月間は解約できない」といった条件が付されることもあります。これは実際に駐車場を使用せずに車庫証明の取得だけを目的とする、いわゆる「車庫飛ばし」を抑止する目的があります。
また、契約期間中に車を買い替えた際などにも新たに保管場所使用承諾証明書が必要になる場合があります。
では、実際に月極駐車場を契約すると、初期費用は総額でどれくらいになるのでしょうか。ここでは、月額賃料2万円の駐車場を契約するケースで、いくつかのパターンをシミュレーションしてみましょう。
初期費用合計:約10万円(税抜) ⇒ 賃料の約5ヶ月分相当
初期費用合計:約6万円(税抜) ⇒ 賃料の約3ヶ月分相当
初期費用合計:約4万円(税抜) ⇒ 賃料の約2ヶ月分相当
このように、駐車場などの条件によって初期費用総額は大きく変わってきます。あくまでシミュレーションですので、実際の金額は個々の物件ごとに必ず確認するようにしましょう。
高額になりがちな月極駐車場の初期費用ですが、その多くは月額賃料を基準に計算されます。そのため、最も根本的かつ効果的な節約方法は、月額賃料そのものが安い駐車場を見つけることです。賃料が低ければ、それに比例して敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用に含まれる他の項目も安くなる傾向にあります。
では、具体的にどのようにして月額賃料の安い駐車場を探せばよいのでしょうか。いくつかのポイントをご紹介します。
まずは、借りたいと考えているエリアの月極駐車場の賃料相場を調べましょう。月極駐車場の検索サイトなどで希望エリアの物件を比較することで、大まかな相場観を掴むことができます。相場を知ることで、提示された賃料が高いのか安いのかを判断する基準になります。
一般的に、駅に近い便利な立地の駐車場ほど賃料は高くなる傾向があります。もし、毎日の通勤で駅を利用しない、あるいは多少の不便は許容できるという場合は、駅から少し離れたエリアまで範囲を広げて探してみましょう。
駐車場の設備や形態によっても賃料は変わってきます。例えば、屋根のない、いわゆる青空駐車場は、屋根付きの駐車場に比べて雨風の影響を受けやすいですが、その分賃料が安く設定されていることが多いのです。
また、砂利敷き・未舗装の駐車場も、アスファルト舗装の駐車場に比べて整備費用が抑えられているため賃料が安めである可能性があります。ただし、雨の日にぬかるんだり車が汚れやすかったりするデメリットも考慮しましょう。
機械式駐車場は同じエリアの平面駐車場と比べて賃料が安い傾向にありますが、車のサイズ制限(高さ、幅、長さ、重量など)が厳しいことや、入出庫に時間がかかること、停電時や故障時に利用できなくなるリスクなどを理解しておく必要があります。特に大型車やSUVを所有している場合は、事前にサイズを確認することが不可欠です。
さらに、普通車向けの駐車場よりもスペースが小さいため賃料が割安に設定されていることがあるのが軽自動車専用駐車場で、軽自動車を所有している場合は積極的に探してみる価値があります。
月極駐車場を探す際には、複数の情報源を駆使することが重要です。オンラインの駐車場検索サイトは手軽な手段の一つです。特定のエリアに特化したサイトや、個人オーナーが直接物件情報を掲載しているケースもあり、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
また、地元の不動産会社に相談するのも有効です。Webブサイトには掲載されていない未公開物件の情報を持っていたり、特定のエリアの市場動向に詳しかったりすることがあります。いくつかの不動産会社に足を運んで、希望条件を伝えてみることで、より多くの選択肢を得られるでしょう。
さらに、希望エリアを実際に歩いて探す方法もあります。駐車場のフェンスに募集看板が掲示されていたり、近隣の掲示板にチラシが貼られている場合もあります。これらの情報はインターネット上にはなかなか出てこない貴重な情報源となる可能性があります。
これらの手段を掛け合わせて、より多くの選択肢の中から、ご自身の希望に最も合う駐車場を見つけましょう。
月極駐車場の契約は、一般的に以下のような流れで進みます。初期費用を支払うタイミングもしっかりと把握しておきましょう。
まずは希望するエリアや予算、駐車する車のサイズなどに合わせて月極駐車場を探します。気になる駐車場が見つかったら、管理会社やオーナーに空き状況や詳細な条件(賃料、初期費用、契約期間など)を問い合わせます。
借りたい駐車場が決まったら、申込書に必要事項を記入して提出します。この際、運転免許証のコピーや車検証のコピーなどの提出を求められるのが一般的です。申込書の内容に基づいて、管理会社やオーナー、保証会社による審査が行われます。審査期間は通常2日〜1週間程度が目安です。ただし繁忙期などでそれ以上に時間がかかる場合もあります。
審査では、主に支払い能力や契約者としての信頼性が見られます。収入が不安定な場合(年収が低い、勤続年数が短いなど)、過去に賃料の滞納歴がある場合、申込書に虚偽の記載がある場合、駐車予定の車両が規定サイズを超えていたり違法改造車だったりする場合などは、審査に通らない可能性があります。
審査に無事通過したら、契約内容の最終確認(重要事項説明など)が行われ、初期費用の支払いと契約書の取り交わしに進みます。
初期費用は契約日当日まで、または契約日より前の指定された期日までに支払うのが一般的です。支払い方法は銀行振込が多いですが、物件によってはクレジットカードが利用できる場合もあります。
契約書に署名・捺印して契約は完了です。この際、鍵やリモコンなどがある場合は、その受け渡しについても説明があります。
契約書に定められた利用開始日から、駐車場を利用することができます。
申し込みから利用開始までは、一般的に1〜3週間ほどかかります。前の利用者の解約時期によっては1ヶ月近く待つケースもあります。一方、オンライン上で申し込みや契約の手続きができる「Park Direct(パークダイレクト)」であれば1~4営業日ほどと、一般的な基準より短いのが特徴です。契約をお急ぎの方は、ぜひパークダイレクトのような月極駐車場のオンライン契約サービスのご利用をおすすめします。
月極駐車場の契約の際、特に初期費用に関して以下の点に注意しましょう。
契約書は法的な拘束力を持つ重要な書類です。隅々までしっかりと目を通しましょう。特に以下の項目は念入りに確認してください。
敷金は原則として返還されるものですが、契約内容によっては一部または全部が返還されない「敷金償却」の特約が付いている場合があります。また、どのような場合に敷金から費用が差し引かれるのか(原状回復の範囲など)、返還される時期についても確認しておきましょう。
車庫証明(保管場所使用承諾証明書)の発行を依頼する際には、発行手数料がかかるか、最低契約期間(例:6ヶ月間は解約不可など)が設けられていないか、その他に特別な条件が付されていないかを必ず確認しましょう。
見積書や契約書に記載されている費用項目の中で、内容がよく分からないものや金額に納得がいかないものがあれば、遠慮せずに担当者に質問しましょう。曖昧なまま契約してしまうと、後々トラブルの原因になる可能性があります。
月極駐車場の初期費用は、決して安い金額ではありません。しかし、その内訳や相場、そして少しでも費用を抑えるための方法を知っておくことで、納得感を持って駐車場選びを進めることができます。
契約前には、必ず複数の駐車場を比較検討し、初期費用だけでなく、月々の賃料、契約期間、解約条件など、総合的な条件を確認することが大切です。不明な点や疑問点はそのままにせず、管理会社やオーナーにしっかりと確認しましょう。
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