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駐車場の消費税、課税?非課税?条件と具体例をわかりやすく解説

駐車場の消費税、課税?非課税?条件と具体例をわかりやすく解説

目次
駐車場賃料にかかる消費税の基本
【重要】駐車場の消費税「課税・非課税」を分ける判断基準
こんなケースはどうなる?具体例で見る課税・非課税
マンション・アパート併設駐車場の消費税
駐車場契約時の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)の消費税
【駐車場オーナー・事業者向け】消費税の納税義務について
【駐車場オーナー・事業者向け】インボイス制度への対応
消費税増税の影響で賃料改定する際の注意
まとめ:駐車場の消費税ルールを理解して適切に対応しよう
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駐車場の賃料やその他の費用に消費税がかかるか、その答えは駐車場の状態や契約形態によって異なります。

この記事では、複雑に思える消費税のルールについて、課税・非課税の基準、インボイス制度への対応などを網羅的に解説します。

駐車場のオーナー様も利用者様も、ぜひ参考にしてください。

駐車場賃料にかかる消費税の基本

原則として駐車場利用は消費税の「課税対象」

結論から言うと、駐車場(月極駐車場、コインパーキングなど)の利用料や賃料は、原則として消費税の「課税対象」となります。

事業者が対価を得て行うサービスの提供は、基本的に消費税が課されるためです。

駐車場の消費税率は10%

課税対象となる駐車場の利用料にかかる消費税率は、他の多くの商品やサービスと同様に、原則として10%(標準税率)です。(2025年4月時点)

「土地の貸付け」は原則非課税だが駐車場は例外?

ここで「土地の貸付けは消費税が非課税になるのでは?」という疑問が生じるかもしれません。

確かに、消費税法上、土地(土地の上に存する権利を含む)の貸付けは、原則として非課税取引と定められています。

しかし、駐車場としての土地利用は、単なる「土地の貸付け」とはみなされません

国税庁の消費税法基本通達6-1-5では「土地の貸付け」に含まれないケースとして「施設の利用に伴って土地が使用される場合」が挙げられています。

駐車場として地面が整備されていたり、フェンスや車止めが設置されていたりする場合、それは単なる土地ではなく「施設」とみなされ「駐車場という施設を利用させるサービス」を提供しているとして、消費税の課税対象になります

【重要】駐車場の消費税「課税・非課税」を分ける判断基準

駐車場の利用が原則課税であることは分かりましたが、例外的に非課税となるケースも存在します。

その「課税」と「非課税」を分ける重要な判断基準について、詳しく見ていきましょう。

判断基準1:駐車場の「整備」状況

最も重要な判断基準が、駐車場として土地が「整備」されているかという点です。

地面が整備されている(舗装、砂利敷きなど)場合は<課税対象>

アスファルトやコンクリートで舗装されている駐車場はもちろん、砂利を敷き詰めている駐車場も、地面が整備されているとみなされ課税対象となります。

区画線やフェンス、車止めがある場合も【課税対象】

地面の整備だけでなく、ロープなどで駐車スペースを示す区画線(ライン)が引かれている、周囲にフェンスが設置されている、車止めが設置されているといった場合も、「施設」としての実態があるとみなされ、課税対象となります。

未整備(更地)のまま貸す場合は【非課税】の可能性あり

一方、地面が全く整備されていない更地の状態で、「駐車場用地」として土地を貸し付ける場合は、「土地の貸付け」とみなされ、非課税となる可能性があります。

未整備かつ貸主が駐車場管理・運営を行わず、借主が自己責任で車両を置くようなケースが該当します。

判断基準2:「施設」としての利用

整備状況とも関連しますが、駐車場が「施設」として利用されているかどうかも判断基準です。

駐車場「施設」の利用とみなされれば【課税対象】

前述の通り、地面の整備や区画整理、フェンス設置などが行われている場合、それは土地の貸付けではなく、駐車場という「施設」の貸付け(利用サービスの提供)とみなされ、課税対象となります。

建物や機械式設備がある駐車場も【課税対象】

立体駐車場や機械式駐車場、屋根付きの駐車場など、建物や駐車のための機械設備が付随している駐車場は、「施設」の貸付けに該当するため課税対象です。

判断基準3:貸付期間

土地の貸付けに関する例外として、貸付期間が1ヶ月未満の場合は、たとえ未整備の更地であっても課税対象となります。

1ヶ月未満の土地の貸付けは期間にかかわらず【課税対象】

ごく短期間の土地利用は、土地そのものの賃貸借というより、一時的なスペース利用サービスとみなされるためです。

例えば、イベント用に数日間だけ更地を駐車場として貸し出すような場合は、整備状況に関わらず課税取引です。

こんなケースはどうなる?具体例で見る課税・非課税

判断基準が分かったところで、具体的なケースに当てはめて課税・非課税の判断を確認してみましょう。

ケース1:アスファルト舗装+区画線の月極駐車場

→ 課税対象

地面がアスファルトで舗装され、区画線も引かれているため、整備されており「施設」の利用とみなされます。

最も一般的な月極駐車場であり、消費税の課税対象です。

ケース2:砂利敷き+ロープ区画の青空駐車場

→ 課税対象

砂利敷きやロープによる区画割りも、駐車場としての利用を前提とした整備とみなされるため、課税対象となります。

ケース3:自宅の庭など未整備の土地を一時的に貸す場合

→ 貸付期間による

全く整備されていない更地であれば、原則「土地の貸付け」で非課税ですが、貸付期間が1ヶ月未満の場合は課税対象、月極など1ヶ月以上の契約であれば非課税となる可能性があります。

ケース4:コインパーキングや時間貸し駐車場

→ 課税対象

コインパーキングや時間貸し駐車場は、地面が整備されロック板や精算機といった設備のある「施設」であり、また貸付期間も短いため課税対象となります。

マンション・アパート併設駐車場の消費税

賃貸マンションやアパートに併設されている駐車場の扱いは、少し特殊なケースがあるので注意が必要です。

「家賃込み」か「別契約」かで扱いが変わる

ポイントは、駐車場代が「家賃に含まれているか」「別途徴収されているか」です。

家賃に含まれ、かつ駐車場が全戸に割り当てられている場合は【非課税】

賃貸住宅の家賃は、消費税の非課税対象です。

自動車の保有の有無にかかわらず駐車場が全戸に1台分ずつ割り当てられており、その利用料が家賃に含まれていて区別されていない場合、駐車場代相当額も含めて全体が「住宅の貸付け」の一部とみなされ、非課税となります。

駐車場代を別途徴収する場合は原則【課税】

マンションやアパートの居住者であっても、駐車場を利用したい希望者が別途契約し、駐車場代を家賃とは別に支払う場合は、その駐車場代は原則として課税対象となります。

これは、住宅の貸付けとは別の「駐車場の貸付け」というサービス提供とみなされるためです。

駐車場の空き区画を外部に貸し出す場合も、同様に課税対象です。

分譲マンションの駐車場は【課税】、ただし例外あり

分譲マンションを購入しても、その敷地内にある駐車場は賃貸であるケースが多く、その場合は原則として課税対象となります。

ただし、駐車場の支払先が管理組合だった場合に限り非課税となるケースもあるため、あらかじめ確認するのがよいでしょう。

駐車場契約時の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)の消費税

月極駐車場を借りる際には、賃料以外に敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用がかかることがあります。

これらの費用に対する消費税の扱いは以下の通りです。

保証金・敷金など、返還されるものは<不課税>

契約終了時に返還される予定の保証金や敷金は、一時的な預り金であり、サービスの対価ではないため不課税(消費税がかからない)です。

ただし、契約によって「敷引」など返還されない部分がある場合、その部分は礼金と同様に扱われ、課税対象となる可能性があります。

礼金・権利金・更新料は<課税対象>

契約時に支払う礼金や権利金、契約更新時に支払う更新料は、返還されない金銭であり、駐車場を利用する権利やサービスの対価とみなされるため、課税対象となります。

仲介手数料は<課税対象>

不動産会社などを介して駐車場を契約した場合に支払う仲介手数料は、仲介というサービスの対価であるため、課税対象となります。

【駐車場オーナー・事業者向け】消費税の納税義務について

ここからは、駐車場経営を行うオーナー様や、企業の経理担当者様向けに、消費税の納税義務に関する重要なポイントを解説します。

消費税の「課税事業者」と「免税事業者」とは?

消費税を受け取った事業者は、原則としてその消費税を国に納める義務があります。

この納税義務がある事業者を「課税事業者」、納税義務が免除される事業者を「免税事業者」といいます。

課税事業者になる条件:課税売上高とインボイス登録

「課税事業者」になるか「免税事業者」になるかは、主に「基準期間」における課税売上高で判定されます。

  • 基準期間:個人の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度
  • 課税売上高:消費税が課税される取引の売上高(駐車場賃料収入など)

基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合、その年の(その事業年度の)消費税の納税義務が発生し、「課税事業者」となります。

1,000万円以下の場合は原則として「免税事業者」です。

ただし、課税売上高にかかわらず、適格請求書発行事業者として登録(インボイス登録)した場合は課税事業者となります

※基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、「特定期間」(個人の場合は前年の1月1日~6月30日、法人の場合は前事業年度開始の日以後6ヶ月間)の課税売上高かつ給与支払額が1,000万円を超えた場合は、課税事業者となる特例もあります。

免税事業者でも消費税を請求できる?

免税事業者は消費税の納税義務がありません。

しかし、取引慣行として、免税事業者であっても賃料に消費税相当額を上乗せして請求(領収)すること自体は可能です。

ただし、後述するインボイス制度の開始により、免税事業者のままでは借主が仕入税額控除を行えないという問題が生じるため、注意が必要です。

新設法人の納税義務免除の特例

新たに設立された法人については、設立1・2期目は、原則として基準期間(前々事業年度)が存在しないため、納税義務が免除されます。

ただし、資本金の額が1,000万円以上、あるいは適格請求書事業者の登録をしている場合は、設立1期目から課税事業者となります。

【駐車場オーナー・事業者向け】インボイス制度への対応

インボイス制度とは?駐車場経営への影響

インボイス制度とは、複数税率(8%・10%)に対応した消費税の仕入税額控除 ※の新しい方式です。

※仕入税額控除:売上にかかる消費税額から、仕入れにかかった消費税額を差し引いて納税額を計算する仕組み

課税事業者である借主が仕入税額控除を受けるためには、原則として、貸主である「適格請求書発行事業者」から交付された「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になります。

インボイス制度が駐車場経営へ影響を及ぼす状況として、借主が課税事業者、貸主が免税事業者であるケースが考えられます。

この場合、貸主がインボイスを発行できないために借主が仕入税額控除を受けられず負担が増え、別のインボイス対応の駐車場へ移ってしまう可能性があるのです。

適格請求書発行事業者(インボイス事業者)への登録は必要?

インボイス発行事業者への登録要否は、まず運営する駐車場が課税対象かどうかによります。

非課税の駐車場の場合、インボイス登録は基本的に不要です。

次に、借主がポイントとなります。

借主にインボイスを必要とする課税事業者(企業など)が多く、登録しないと競争上不利になるような場合は登録を検討するとよいでしょう。

一方、主な借主が個人や免税事業者でインボイスが不要な場合は、必ずしも登録は必要ないと考えられるでしょう。

免税事業者がインボイス登録する場合の注意点

免税事業者がインボイス発行事業者として登録するということは、課税事業者になることを意味します。

これにより、以下の点に注意が必要です。

  • 消費税の納税義務が発生する: これまで免除されていた消費税の申告・納税が必要になります。
  • 事務負担が増加する:インボイスの発行・保存、消費税申告といった経理事務の負担が増えます。

ただし、インボイス制度開始に伴う負担軽減措置として、免税事業者がインボイス発行事業者になった場合、一定期間、納付税額を売上にかかる消費税額の2割に軽減できる「2割特例」(2026年9月30日まで)なども設けられています。

消費税増税の影響で賃料改定する際の注意

消費税率が変わる場合、課税対象である駐車場の賃料も当然ながら影響を受けます。

増税に伴い、賃料の値上げを検討する必要があるでしょう。

その際、賃貸借契約書に「消費税率の変動に応じて賃料を改定する」「公租公課の変更などに伴い賃料を増額請求する」といった旨の条項を明記しておくことも考えられます。

まとめ:駐車場の消費税ルールを理解して適切に対応しよう

駐車場の賃料にかかる消費税は、「整備状況」「施設利用」「貸付期間」といった基準によって課税・非課税が判断されます。

特に駐車場オーナーや事業者の方は、ご自身の駐車場が課税・非課税どちらに該当するかを正しく把握することが重要です。

さらに、インボイス制度への対応も借主の状況に応じて検討しましょう。

なお、消費税の有無、インボイス制度についての詳細は、税理士などの専門家にご確認ください。

また、消費税率や2割特例などの各種制度は今後変更の可能性もあるため、国税庁など公的機関の最新情報をご確認ください。

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駐車場の消費税やインボイス対応など、運営や契約には複雑な側面もありますね。

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  • 2025年4月22日時点の情報に基づき記載した記事です。
  • こちらの記事は参考情報として記載しているもので、記載内容に関しては必ずご自身でご確認いただくと共に、必要に応じて管轄警察署、監督官庁、各士業その他専門家にお問い合わせください。
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