
引っ越しや車の買い替え、あるいは車を手放すなど、様々な理由で月極駐車場の解約が必要になることがあります。駐車場の解約手続きは普段あまり経験するものではないため、いろいろと疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、月極駐車場の解約をスムーズに進めるために知っておきたい情報を網羅的に解説します。
駐車場の解約手続きにおいて最も重要なのが、契約書(賃貸借契約書)の内容を確認することです。契約書には、解約に関する重要なルールが記載されています。手元に契約書がない場合は、管理会社やオーナーに連絡して再発行してもらうか、コピーを貰うとよいでしょう。
特に以下の項目は確認しておきましょう。
「解約したい月の何ヶ月前(または何日前)までに通知しなければならないか」という期間です。これを守らないと、希望通りに解約できなかったり、余分な賃料が発生したりする可能性があります。
解約の意思をどのように伝えればよいか、契約書に定められている場合があります。「書面での通知が必須」「電話連絡の後、書面を提出」など、指定された方法に従う必要があります。
解約月の賃料が日割り計算されるかどうかも重要なポイントです。日割り計算されない場合は、月の途中で解約しても1ヶ月分の賃料を支払う必要があります。
契約期間の途中で解約する場合などに、違約金が発生するかどうか、発生する場合の条件や金額が記載されています。
契約時に支払った敷金や保証金が、どのような条件で、いつ頃返還されるのかを確認します。返還されないケースや、原状回復費用などが差し引かれる場合もあります。
月極駐車場の解約予告期間は「解約を希望する月の1ヶ月前まで」と定められているケースが多く見られます。例えば、4月末で解約したい場合は、3月末までに解約の意思を伝える必要がある、ということです。
当社が運営する月極駐車場検索・契約サービス「Park Direct(パークダイレクト)」でも、1ヶ月前の予告をお願いしています。
ただし、これはあくまで一般的な例であり、2ヶ月前や3ヶ月前、14日前など様々なケースがあるため、必ず契約書を確認しましょう。
なお、駐車場の経営形態によって、解約予告期間の傾向が異なることもあります。
オーナーが個人で経営している駐車場の場合であっても、原則として契約書での取り決めが優先されます。ただし、契約書に予告期間が明確に定められていない場合もあるため、その際はなるべく早めにオーナーに相談してみましょう。
なお、個人経営の場合は比較的柔軟な対応をしてもらえる場合もあります。しかし、解約希望日の直前に解約を申し出るのはトラブルの原因になりますし、翌月分など余分な賃料を払うことにもなりかねません。マナーとして、遅くとも1ヶ月前には相談するのが好ましいです。
不動産会社や管理会社が運営している駐車場では、賃貸借契約書の「解約予告の告知期限」といった規定にて定められていることが一般的です。賃貸借契約書の期日を必ず守りましょう。
もし賃貸借契約書に解約予告の告知期限が明記されていなければ、管理会社に確認しましょう。
解約の連絡先は、駐車場の管理形態によって異なります。
契約書に連絡先や担当窓口が記載されていることがほとんどですので、まずは契約書を確認しましょう。不明な場合は、契約時にお世話になった不動産会社などに問い合わせてみてください。
まず、契約書で確認した連絡先へ解約したい旨を伝えます。契約書で定められた解約予告期間を守って連絡しましょう。
解約の意思を伝える方法は、電話や書面、直接窓口に行く、Webサイトの問い合わせフォームなど、オーナーや管理会社によって様々です。契約書で定められている場合はその内容に従い、もし指定されていなければ、まずは電話で一報を入れるのが丁寧な対応と言えるでしょう。その際に正式な手続き方法(書面の要否など)を確認しましょう。
解約の意思を伝えた後は、多くの場合、解約届や解約通知書といった書類の提出が求められます。
管理会社所定の解約書類がある場合は、郵送か窓口にて受け取りましょう。必要事項の記入、押印ができたら、郵送し返すか直接提出します。郵送の場合、期限に間に合うよう余裕をもって送付しましょう。また、配達記録が残る方法(特定記録郵便、簡易書留、内容証明郵便など)で送ると確実です。
なお、法人の場合は基本的に書式が定められていますが、個人のオーナーの場合は書類が用意されていなかったり、そもそも書類提出が必須ではなく口頭のやりとりだけで済む場合もまれにありますので、契約書や問い合わせにて確認しておきましょう。
ただし、たとえ書類提出が必須でなかったとしても、書面やメールといった記録が残るもので解約通知を行うことをおすすめします。「言った・言わない」のトラブルを防ぐために、解約の意思表示を形に残しておくことが重要です。
解約書類が受理されると、正式な契約終了日が確定します。契約終了日までに、駐車場を明け渡せる状態にする必要があります。
解約月までの賃料は、通常通り支払いが必要です。日割り計算の可否によって最終的な支払い額が変わるため、事前に確認しておきましょう。
駐車場によっては、ゲートのリモコンやチェーンの鍵などを借りている場合があります。これらは契約終了日までに返却する必要があります。返却方法やタイミングは事前に確認しておきましょう。紛失した、返却を忘れてしまった際は弁償費用が発生する可能性もあります。
解約時には、駐車場を借りた時の状態に戻す「原状回復」が求められる場合があります。ただし、通常の利用による損耗(タイヤ痕など)を超えるような契約者の故意・過失による損傷がなければ、特別な清掃や修繕は不要なケースがほとんどです。いうまでもありませんが、ゴミを放置したり、私物を置きっぱなしにしたりせず、常識の範囲内できれいな状態で明け渡すようにしましょう。
契約書に原状回復に関する特約がないか確認し、不明な点は管理会社やオーナーに確認するのが確実です。
駐車場の解約で気になるのが費用面です。日割り計算、敷金返還、違約金について詳しく見ていきましょう。
結論から言うと、月極駐車場の解約において、賃料の日割り計算はされないケースが多いのが実情です。これは、住居の賃貸借契約とは異なり、駐車場契約には借地借家法のような日割り計算を義務付ける法律がないためです。
例えば、解約予告期間が「1ヶ月前」で、4月10日に解約を申し出た場合、最短の解約日は5月末日となり、5月分の賃料は全額支払う必要がある、といったケースが一般的です。仮に5月15日に駐車場を使わなくなったとしても、5月分の賃料は満額請求されることが多いのです。
ただし、契約によっては日割り計算に対応している場合もあります。すべては契約書次第ですので、必ず契約書の「賃料」や「解約」に関する条項を確認してください。「解約月の賃料は日割り計算しない」「月の途中の解約でも1ヶ月分の賃料を要する」といった記載があれば、それに従うことになります。
敷金や保証金は、本来、賃料の滞納や契約者の過失による損害を担保するためのお金です。そのため、未払いの賃料や原状回復費用などがなければ返還されることが一般的です。
ただし、契約書に「敷金は償却する(返還しない)」といった特約が設けられている場合があります。また、明け渡し後の清掃費用を敷金から差し引く旨が記載されている場合もあります。契約書の内容をよく確認しましょう。
契約で定められた最低利用期間内で解約したり、契約期間の定めがある契約を途中で解約すると、違約金が発生する可能性があります。契約書に「違約金」や「短期解約」に関する条項がないか、「契約後〇ヶ月以内の解約は、賃料の〇ヶ月分の違約金を支払う」といった記載がないか、必ず確認しましょう。
駐車場の解約の手続きを円滑に進め、不要なトラブルを避けるための注意点をまとめました。
これが最も重要です。解約予告期間、通知方法、日割り計算、敷金、違約金など、解約に関する条項は特に注意深く読み込み、内容を正確に理解しておきましょう。
「言った・言わない」の水掛け論を防ぐため、解約通知はなるべく書類やメールで行い、記録を残しましょう。また、書類は提出用のほか、保管用にコピーを取っておくこともおすすめです。
さらに、担当者と電話などで話した内容(例:「日割り計算OKです」「〇日までに敷金を返金します」など)も、後で「そんなことは言っていない」とならないよう、可能な限り書面に残してもらうか、メールなどで確認の記録を残すようにするとよいでしょう。
引っ越し先や、現在の駐車場に不満があって解約した場合など、新たに駐車場が必要な場合は、解約手続きと並行して新しい駐車場を探す必要があります。
新しい駐車場を契約する際は、今回の解約の経験を活かし、契約内容(特に賃料、敷金、礼金、契約期間、解約条件など)をしっかりと確認しましょう。
車の保管場所(駐車場)が変わった場合は、変更があった日から15日以内に、新しい保管場所を管轄する警察署で車庫証明(自動車保管場所証明書)の保管場所変更届出の手続きを行う必要があります。
「駐車場が変わってから15日以内」に速やかに手続きを行いましょう。期限を超過すると、10万円以下の罰金が科される可能性がありますので注意が必要です。
主に以下の書類を、新しい保管場所を管轄する警察署に提出する必要があります。
必要書類は地域によって異なる場合があるため、必ず管轄の警察署にお問い合わせください。
駐車場の解約は、事前に流れや注意点を理解しておけば決して難しいものではありません。このガイドを参考に、一つ一つのステップを確実に進めていってください。スムーズな解約が完了し、新たなカーライフをスタートできることを願っています。
新しい駐車場をお探しでしたら、月極駐車場検索・契約サービス「Park Direct(パークダイレクト)」が便利です。
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