
月極駐車場を契約する際、「保証金」って一体何?と疑問や不安をお持ちではありませんか?
この記事では、駐車場の保証金について、その基本的な意味や役割、相場、敷金・礼金との違いから、気になる解約時の返還条件まで網羅的に解説します。
月極駐車場の保証金とは、借主(駐車場を借りる人)が、貸主(オーナーや管理会社)に対して契約時に預けるお金のことです。これは一種の「担保」として機能します。
保証金は、借主が賃料を滞納してしまったり、駐車場の設備を壊してしまったりした際、その損害を補填するために用いられることがあります。万が一のトラブルに備えて、貸主が一定の金銭を預かっておきリスクを軽減する目的があるのです。
駐車場の貸主によっては「保証金」ではなく「敷金」という名称を用いている場合もあります。
月極駐車場の保証金の相場は、一般的に月額賃料の1〜2ヶ月分程度とされています。あくまでも相場なので、管理会社や駐車場によって金額は異なりますし、保証金自体が設けられていない場合もあります。
また、都心部や人気のエリア、駐車場の設備が新しい場合などはやや高め、逆に郊外や個人オーナーの駐車場などでは安価な傾向も見られます。
賃貸住宅の契約では「敷金」「礼金」という言葉をよく聞きますが、駐車場の「保証金」とは何が違うのか、混同しやすいこれらの費用について違いを整理していきます。
敷金は、主に賃貸住宅の契約で使われる用語で、目的は保証金と非常に似ており、家賃滞納や借主の過失による損害を担保するためのお金です。原則として、退去時に未払い賃料や修繕費用を差し引いた残額が返還されます。
保証金は、駐車場や店舗・事務所などの事業用賃貸借契約で使われることが多い用語です。契約によって「敷金」とほぼ同義で使われることもあれば、「償却」といって一部または全部が返還されない特約が付いていることもあります。
つまり、「保証金」という名称であっても、実質的に「敷金」と同じ役割(預り金)なのか、あるいは返還されない性質を持つのかは、契約内容を確認する必要があるという点が大きな違いです。
月極駐車場では「保証金」と「敷金」のどちらの名称も用いられることがあります。
礼金は、賃貸住宅の契約時に、部屋を貸してくれる大家さんに対して「お礼」として支払うお金です。これは謝礼としての意味合いが強く、敷金や保証金と違って預かり金ではないため、原則として解約・退去時に返還されることはありません。
月極駐車場の場合、「礼金」が必要となるケースは賃貸住宅に比べて少ないですが、地域や物件によっては設定されていることもあります。
月極駐車場を契約する際には、保証金以外にもいくつかの費用がかかります。初期費用に含まれる主な項目とその相場、支払い時期について見ていきましょう。
契約開始月の賃料(日割り計算または1ヶ月分)と、契約日によっては翌月分の賃料を前払いで支払います。例えば、5月15日から契約する場合、5月分の日割り賃料と6月分の賃料を初期費用として支払います。賃料1~2ヶ月分程度が目安です。
前述の通り、貸主へのお礼として支払うお金です。相場は賃料の1ヶ月分ですが、駐車場の場合は礼金なしの物件も多いです。なお、保証金と異なり礼金は返還されません。
不動産会社を通して駐車場を契約した際、不動産会社へ支払う手数料です。相場は駐車場の月額賃料の1ヶ月分(+消費税)です。ただし、賃貸住宅の契約と違い、月極駐車場単体の契約では上限額が法的に定められているわけではないため、それ以上の金額となる場合もあります。
不動産会社を介さず、オーナーから直接借りる場合は不要です。
連帯保証人を立てる代わりに、保証会社を利用する場合に必要な費用です。万が一賃借人が賃料を滞納した場合に、貸主へ立て替え払いを行います。
相場は、初回契約時に賃料の0.5ヶ月~1ヶ月分程度、その後は年ごとに更新料がかかるのが一般的です。ただし、保証会社への加入の要否や金額はあくまで管理会社や駐車場により異なるため、契約前に確認しておきましょう。
物件によっては、シャッター付きガレージの鍵交換代や、契約手続きのための事務手数料などがかかる場合があります。
実際にどれくらいの初期費用がかかるのか、例を見てみましょう。
【例:月額賃料2万円の駐車場を契約する場合】
初期費用 合計:9万5千円
あくまで一例ですが、月額賃料が2万円でも、初期費用としてその4倍以上の金額が必要になる場合もあります。保証金以外にも様々な費用がかかるため、合計額をしっかり把握することが大切です。
初期費用の支払い時期は、一般的に契約手続きの際、または契約締結後すぐです。
契約手続きの流れとしては、「申し込み → 審査 → 契約・初期費用支払い → 利用開始」となるのが一般的です。スムーズに契約を進めるためにも、事前に初期費用の準備をしておきましょう。
契約時に預けた保証金が解約時にきちんと返還されるのかどうかは、多くの方が気になる点でしょう。ここでは、保証金の返還に関するルールや注意点について詳しく解説します。
まず、基本的には保証金(敷金としての性質を持つ場合)は預かり金であるため、原則として解約時に返還されるべきものです。賃料の滞納や賃借人の責任による損害がなければ、全額が戻ってくるのが基本です。
ただし、契約内容や利用状況によっては返還されないケースもあります。
解約時までに支払われていない賃料や管理費などがある場合は、その未払い分が保証金から差し引かれます(これを「相殺」といいます)。保証金の額よりも未払い額の方が多い場合は、保証金は全額充当され、さらに不足分を請求されることになります。
賃借人が故意または過失によって、駐車場の車止め、フェンス、地面、機械式駐車場の設備などを破損・汚損してしまった場合、その修繕費用が保証金から差し引かれます。
どの程度の破損・汚損が借主の負担となるかは、契約内容や状況によって判断が異なりますが、通常の使用による自然な損耗(経年劣化)は含まれません。
例えば、「オイルを大量にこぼしてシミを作ってしまった」「バック時に車止めを壊してしまった」などが該当する可能性があります。解約時の明け渡し(立ち会い)の際に、貸主側と状態を確認することが重要です。
契約書に「保証金償却」に関する特約が定められている場合があります。これは非常に重要なポイントです。保証金償却とは、「契約時に預かった保証金のうち、一定額または一定割合を、解約時に理由の如何に関わらず返還しません」という特約のことです。
例えば、「保証金のうち1ヶ月分を償却する」という特約があれば、賃料滞納や損害がなくても、解約時には保証金の1ヶ月分が差し引かれて返還されることになります。「保証金を全額償却する」という契約であれば一切返還されません。
契約を結ぶ際には、契約書の保証金・敷金の条項、もしくは解約に関する条項や特約事項に、「保証金償却」やそれに類する条項がないか確認しておき、納得したうえで契約しましょう。
契約によっては、「契約から1年未満で解約した場合は、違約金として賃料の〇ヶ月分を支払う」といった短期解約に関する違約金の定めがある場合があります。この違約金が、保証金から差し引かれるケースもあります。契約期間や更新に関する条項も確認しておきましょう。
返還時期については、駐車場の明け渡し(解約手続き完了)から1~2ヶ月程度であることが多いです。ただし、オーナーや管理会社によって対応は異なりますので、契約書に明記されている場合はそちらを確認し、そうでない場合は解約検討時に貸主に確認するとよいでしょう。
保証金の返還を巡るトラブルを未然に防ぐために、以下の点に注意しましょう。
最も重要なのは、契約前に契約書の内容を確認することです。特に「保証金償却」の有無、償却される金額や割合、原状回復(修繕)の範囲と費用負担に関する取り決め、解約時の手続きなどをしっかり理解し、不明点は必ず質問して解消しておきましょう。口頭での説明だけでなく、書面で確認することが大切です。
解約する際は、契約書で定められた予告期間を守り、所定の手続き(解約通知書の提出など)を正しく行いましょう。解約手続きが遅れると、余分な賃料が発生したり、トラブルの原因になったりすることがあります。
また、解約時の明け渡しに立ち会いを求められた場合はできるだけ応じ、駐車場の状態を貸主側と一緒に確認しましょう。可能であれば、写真を撮っておくと後々の証拠になります。
もし、正当な理由なく保証金が返還されない、あるいは差し引かれた金額に納得できない場合は、まずは貸主に説明を求め、話し合いましょう。契約書の内容や状況を整理し、冷静に交渉することが重要です。
それでも解決しない場合は、法テラス、弁護士など専門家への相談を検討しましょう。
また、契約書やこれまでのやり取りの記録(メール、書面など)は重要な証拠となるため、大切に保管しておき、然るべき相談窓口で提出するとよいでしょう。
法人が月極駐車場を契約する場合、経理処理が必要になります。保証金(返還される分)は、一般的に「差入保証金」などの勘定科目で資産として計上します。返還されない礼金や仲介手数料、償却される保証金などは、支払時に「支払手数料」などの費用として処理します(税務上の繰延資産に該当する場合もあります)。
詳細な会計処理や税務処理については、会社の経理担当者や顧問税理士に確認するようにしましょう。
月極駐車場の保証金は契約時の重要な初期費用であり、その意味や返還条件を理解することがトラブル回避に不可欠です。繰り返しとなりますが、契約書の保証金に関する条項を確認し、納得したうえで契約することが重要です。
この記事が、あなたの駐車場探しの一助となれば幸いです。
月極駐車場の契約では、保証金などの初期費用が発生し、その確認や契約手続きに手間がかかることがあります。
月極駐車場検索・契約サービス「Park Direct(パークダイレクト)」なら、初期費用の内訳もオンラインで分かりやすく確認でき、契約手続きもスムーズに進められます。
駐車場探しや契約の手間を省き、スムーズに利用を開始したい方は、ぜひ一度「Park Direct(パークダイレクト)」をチェックしてみてください。
月極駐車場の検索・オンライン契約なら Park Direct(パークダイレクト)