月極駐車場の無断駐車！正しい対処法と予防策を完全解説します

「自分の契約駐車場に知らない車が停まっている……」これは月極駐車場を利用する上で誰にでも起こり得る、深刻な問題です。契約者にとっては大きな迷惑であり、オーナーや管理会社にとっても頭を悩ませる事態と言えるでしょう。

この記事では、月極駐車場の無断駐車という厄介な問題に対し、契約者とオーナー・管理会社双方の立場から具体的な対処法、効果的な予防策を解説し、解決への道筋を示します。

そもそも「無断駐車」とは？

月極駐車場における無断駐車とは、その駐車場の区画を契約していない第三者が、許可なく無断で車両を駐車している状態を指します。たとえ短時間であったとしても、またたまたま駐車場が空いていたタイミングだったとしても、契約者専用スペースに契約者以外の車が停まっていれば無断駐車となります。

無断駐車は契約者にもオーナー・管理会社にも様々な不利益をもたらします。契約者は、駐車スペースが使えないことによってコインパーキングを使わざるを得なくなる、目的地への到着が遅れるなど経済的・時間的損失を被ります。また、オーナーや管理会社は、契約者からのクレーム対応に追われたり、契約者の解約原因になってしまう可能性もあります。

また、無断駐車を放置すると、駐車場全体のセキュリティ意識の低下を招きかねません。「管理が甘い駐車場」という印象を与え、車両盗難や車上荒らしといった他の犯罪を誘発するリスクも高まってしまいます。

自分の契約スペースに無断駐車を発見！まず何をすべきか？

ステップ1：証拠の保全（ナンバー、車種、駐車状況、日時）

まずは、以下の点を写真や動画などで記録しておきましょう。

• 車両全体
• ナンバープレート
• 自身の契約している区画内に停まっていることが分かる、区画番号の写った写真
• 無断駐車のあった日時

これらの証拠は、管理会社への連絡や、警察への通報、場合によっては法的措置を検討する際に非常に役立ちます。

ステップ2：駐車場の管理会社へ連絡

無断駐車があった証拠、車の特徴を控えたら、速やかにオーナー・管理会社に連絡し状況を伝えましょう。契約書に記載されている連絡先や、駐車場に掲示されている連絡先に電話します。

車の車種、色、ナンバーなどの特徴と、いつから無断駐車されているかを伝えます。時には、同じ駐車場の別区画の契約者が単に駐車場所を間違えてしまっているケースもあります。オーナー・管理会社に確認してもらいましょう。

ステップ3：自分の車を近隣のコインパーキングなどに停めた場合は領収書等を保管する

自分の車を停める場所がない場合、近隣のコインパーキングなどを利用する必要が出てきます。その際は、必ず領収書を保管しておきましょう。後日、無断駐車の実行者に損害賠償として請求できる可能性があります。

悪質な無断駐車の場合は……

なお、長期間放置されているなど無断駐車が特に悪質な場合は、警察への通報も考えられます。通報する際は、以下のことを冷静に説明するとよいでしょう。

• 月極駐車場の契約者であること
• 自分の契約区画に無断駐車されていること
• 車両ナンバー、車種、色、駐車時間
• 管理会社に連絡済みか、管理会社の対応状況

ただし、月極駐車場は私有地にあたるため、無断駐車をはじめとする私有地内でのトラブルについて、警察は必ずしも動いてくれるとは限らないことはあらかじめ理解しておきましょう。

それでも解決しない……無断駐車への法的措置とは？

警告をしても無断駐車が繰り返される悪質なケースでは、より踏み込んだ法的措置を検討する必要が出てきます。この場合、無断駐車車両の所有者を特定して内容証明を送るという手段や、裁判所に訴訟提起をする手段が考えられます。弁護士等の専門家に相談しましょう。

やってはいけないNG行動とは？

無断駐車を発見すると、怒りや焦りを感じるかもしれませんが、以下のような行動は避けましょう。

NG行動1：実力行使（タイヤロック、車を傷つけるなど）は絶対にダメ！

無断駐車されたからといって、相手の車にタイヤロックをかけたり、傷をつけたり、勝手に移動させたりする行為は「自力救済」とみなされ、法的に認められていません。それどころか、器物損壊罪や窃盗罪に問われる可能性があります。

NG行動2：感情的な張り紙や過度な罰金請求の貼り出し

「バカ！」「二度と停めるな！」といった感情的な言葉を使ったり、「罰金10万円」のように罰金を請求するような記載をすることも、場合によっては、名誉毀損罪や脅迫罪と解釈されるリスクがあります。冷静かつ法的な根拠に基づいた対応を心がけましょう。

「罰金◯万円」の張り紙は法的に無効

たとえ罰金を取る旨を記載しても、ただちに法的な効力が生じるわけではありません。契約関係にない相手に対して、貸主が私的に罰金を科すことは認められていないためです。

ただし、無断駐車によって被った実損害（代替の駐車場代など）については、損害賠償として請求できる可能性があります。

無断駐車を未然に防ぐ！効果的な予防策

無断駐車は、発生してからの対応も重要ですが、それ以上に未然に防ぐための予防策が最も効果的です。ここでは、オーナー・管理会社ができる予防策と、契約者が協力できることを解説します。

防犯カメラを設置する

防犯カメラは、無断駐車の抑止効果が非常に高い設備です。万が一無断駐車が発生した場合にも、録画映像が有力な証拠となります。「防犯カメラ作動中」といったステッカーを併せて掲示すると、より効果的です。

予算的に厳しい場合は、ダミーカメラを用いるのも一つの手ですが、ダミーだと見破られると効果が薄れるため、設置場所や機種選定には注意が必要です。

「無断駐車禁止」「契約者専用」などの警告看板を設置する

「契約者以外の駐車を発見した場合、警察に通報します」「無断駐車を発見次第、損害賠償請求等の法的措置を講じます」といった内容の警告看板を、駐車場の入口や目立つ場所に設置します。 デザインや色使いも、目につきやすく、警告であることが一目でわかるように工夫しましょう。

カラーコーン、チェーンなどの障害物を設置する

各契約区画の入口にカラーコーンやチェーンなどを設置することで、物理的に車両の進入を防ぎます。契約者は駐車時にこれらを移動させる手間はありますが、無断駐車の防止には非常に効果的です。特に空き区画には積極的に設置すると良いでしょう。

駐車場ゲートを導入する

費用はかかりますが、駐車場入口にゲートを設置する方法は最も確実な無断駐車対策の一つです。無断駐車が頻発して収益に大きな影響が出ている場合などに、費用対効果を鑑みて慎重に検討しましょう。

定期的に巡回する

オーナーや管理会社のスタッフが定期的に駐車場を巡回し、不審な車両がないか、契約車両が正しく駐車されているかなどをチェックします。巡回している姿を見せること自体が抑止力になります。

契約者専用プレートやステッカーを配布する

契約車両であることを示す専用のプレートやステッカーを配布し、契約者に掲示を徹底してもらいます。これにより、契約車両とそうでない車両が一目で区別できるようになり、無断駐車の抑止や早期発見に繋がります。

駐車場内の定期的な清掃と照明の整備

駐車場内がゴミだらけだったり、照明が切れて薄暗かったりすると、「管理が行き届いていない」という印象を与え、無断駐車を誘発しやすくなります。定期的な清掃を行ったり十分な明るさの照明を整備しましょう。

不審な車両を見かけたらすぐに管理会社へ報告する

契約者は、たとえ自分の契約区画以外であっても不審な車両が長時間停まっているのを見かけたり、無断駐車の常習犯と思われる車両に気づいたりした場合は、速やかに管理会社に報告しましょう。早期発見・早期対応が、被害の拡大を防ぎます。

まとめ：無断駐車対策は予防と迅速な対応が鍵！

月極駐車場の無断駐車は、誰にとっても迷惑で厄介な問題です。しかし、正しい知識を持ち、適切な対応と予防策を講じることで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

無断駐車で困った場合、まずは駐車場の管理会社に相談しましょう。それでも解決が難しい場合や法的な対応が必要な場合は、警察や行政書士、弁護士に相談することも考えてみてください。

この記事が、月極駐車場の無断駐車問題に悩むすべての方々にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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